解題

「第二の自然」という言葉がある。マルクス主義の哲学者だったか忘れたが、高度に発展した科学文明は、かつての自然以上に「自然」であるという。さもありなん、といったところか。かつての自然とその「自然」が合流するところ、現代の川や海は、そんな場所として、私たちの矛盾を突きつけてくる。和歌に歌われ、絵に描かれた川も、デザインされたパッケージの流れる、素敵なゴミ溜めに過ぎない。この「自然」を私たちの矛盾として受け止めるために、この「芥」を真っ直ぐに見つめ、撮影した。