自然を利用することも、人間だけが行っていることではない。しかし、これもまた人間とその他生物では認識が異なるだろう。自然界の生物たちに、責任は発生しない。対して人間は、責任を知りながら自然を利用する。
山間を切り開き、巨大なホテルが建設された。後先を考えずに建設した結果、このホテルは数十億円という負債額を抱え、廃業。オーナーは失踪した。
自然の中に一点、責任を追及されるべき人間が不在のまま打ち捨てられている。
自然にも還れず、ただただ朽ちてゆくほか、この建物に選択肢はない。
かつて人々に利用されていた日々は遠く、まるで夢のように、面影すらも時間と共に朽ちてゆく。
「つくる責任つかう責任」
人間の作ったものはすべて、人間に責任がある。