カスタム・ビルダー

 

喧騒な工房で、ビルダーの面持ちが全てを物語る。

 

幾度も繰り返される手の動き、細かな部品に向けられた真剣な眼差し。その顔には、長き年月の経験が刻まれている。

 

図面に沿いつつ、手で細部を整えつつ、進み行く。

 

鉄板に命を吹き込む瞬間を逃さず見守る。

 

エンジンが据えられれば、バイクはようやくその姿を現し始める。

 

堅牢な構造と革新の想像力とが相い交わり、形を成すそのさま、静かにして確かなものだ。

 

一つとして同じものはなけれど、語られることもなく、ただ結びたる鉄馬、そこにあるのみ。

 

すべての工程に一人で向き合い、それを生業として生きる。

その顔には、人生のすべてが映し出されている。