彼女は私

女優を志していた一人の女性の命が奪われた事件を知った。

同じように表現の世界を志す者として、彼女がたどった道程を知りたくなった。

彼女の事を知るにつれ、私の中にあった小さな不安が膨らんでいくのを感じた。

 

永友愛加

 

2000年 東京出身

2019年日本大学芸術学部演劇学科演技コース入学

中学・高校の教員免許を取得し大学で学んだ演劇×教育のあり方を考える

 

5.今持っている不安は?

日本の教育の地域格差によって経済格差がより広がること。

それらを減らすことで日本国民の経済格差を減らしていけると思っている。

教育の向上により、それぞれの生活の底上げを望んでいる。

 

4.貴方にとって大切にしている言葉は?

人には人の地獄がある

メリットには必ずデメリットがありリスクには必ずリターンがあると思っている。

良いことの裏には必ず悪いことがあって、他人がそれを語ることはできないと思っているから。

 


 

吉岡あおい

 

2004  東京都出身

幼少よりモダンバレエを窪内絹子に師事

2023年 都立総合芸術高等学校 舞台表現科 コンテンポラリーコース卒業

2021年 2人組アーティスト"POOL"の「META」にコレオグラファー/ダンサーとして出演

NBA全国バレエコンクール2023コンテンポラリーの部 第2

All Japan Ballet Union 2023 コンテンポラリーの部 第1

現在、海外で踊ることを視野に入れつつ、創作・表現の追求に励む

 

1.社会から阻害されたと感じた瞬間は?

ダンスという芸術の肩身の狭さに社会からの視線や距離感を感じることがある。

 

5.現在抱える不安はありますか?またそれはなんですか?

将来への不安,金銭面への不安

 

 

 

 

赤城さくら

 

2000年 福井県出身

留学先の高校の授業で写真と出会う

2019年 日本大学芸術学部写真学科入学

2023年現在 日本大学大学院芸術学研究科  写真分野  博士前期課程在学中

 

5.現在抱える不安はありますか?

 

不安は生活の中で常々感じる。それは直接的なものではなくてもだ。

例えば、毎日のようにテレビのニュースで報道される結婚問題や少子化問題は、経済面や将来への不安を充分に煽ぎ、社会的な圧力に押し潰されそうになる。幸せの象徴とされる結婚に対してすらも現代の状況では社会からの阻害と感じざるを得ない。

 

 

 

星野李奈

 

2000年 東京都出身

2013年 中学校に入学 演劇部に入部したことで、演劇と出会う

2019年 日本大学芸術学部演劇学科演技コース 入学

同年より舞台を中心とした俳優活動を開始

2022 12月より「アマヤドリ」に入団

 

4,貴方にとって大切にしている物事はありますか?

人との繋がりを大切にしている。

私はコミュニケーションを取ることが苦手で演劇を介して人や社会とつながり合っている。

私が感じたこの体験を私も人に伝えられるように演劇を志し始めた。

 

 

三木 沙也香

 

1999年 東京都出身

2018年 東京都立総合芸術高等学校 舞台表現科 演劇専攻 卒業

同年 日本大学藝術学部 演劇学科 劇作コース 入学

2021年 大学4年時に自身で団体を主宰し、脚本、演出も務める

大学卒業後 現在、トライストーン・アクティングラボにて、俳優としてのレッスンを受けている

 

 

5.現在抱える不安はありますか?

 

もちろんあります。

知人との待ち合わせで都内の大きなビルの中にいた時、そのビルで働く会社員の人たちが行き交う中、私は撮影のときと同じオレンジ色のズボンを履いていた。

大学を卒業して2年目、役者のレッスンを受けながらアルバイトをする日々。

私はこんなに反射する床を知らないし、スマホとコーヒーだけを持って歩いたことはありません。

自分の年齢は本来ならもうこういうところを格好良く出入りしなきゃいけないんだと怖くなりました。

 

 

宮澤 あかり

 

2001年 青森県出身

2013年 友達に誘われてドラムとしてバンドを始める

2017年 高校の軽音楽部で「リュックと添い寝ごはん」というバンドを結成

2019年 「RO JACK for ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」優勝

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」に出場

2020年12月 スピードスター・レコーズからメジャーデビュー

 

1.社会から阻害されたと感じた瞬間はありますか?

高校生の時、進路相談で「将来バンドをやりたい」と言った際に少し嫌な顔をされた時。

   

5.現在抱える不安はありますか?

夜眠れない時になぜか余計なこと考え始め不安になって寝れなくなるというような小さな不安は毎日少しづつある。

 

佐藤明花

 

1996年 神奈川県出身

1999年 体が柔らかったからという理由でクラシックバレエを始める

2013年 コンクールでいただいたスカラシップでバレエ団付属学校に入学するため渡米(テキサス州ヒューストンバレエアカデミー)

2015年 テキサスバレエシアターに入団

 

帰国後はモデル活動をしながら、バレエ、ダンス、英語、ピラティスの講師を務める

 

 

6.   社会に対する不満はありますか?またそれはなんですか?

 

日本の法律が今の時代に適応していないこと。特に結婚や子育て、低所得者に対しての制度的な部分の不満は大きい。しかし自分が生きてるうちには変わらないだろうと半ば日本に対して諦めている気持ちも強いがアラサーがこれではいけないとも思っている。

 

 

中山優瞳

 

 

2000年 東京都出身

2016年 音真が好きでバンドのライブ真を撮り始める

2019年 日本大学芸術学部真学科入学 

卒業後はアメリカへの留学を目指している

2.将来への期待希望夢は?

私の夢は人に新たな視点を与えられるような芸術家になることだ。

またそれは容易ではないことはわかっている。

しかし一度きりの人生、私はチャレンジをした方がしいと思っている。

自分は恵まれた境遇に育ったと思っているので、それに伴う牲はあろうとも自分の限界まで夢を追いかけようと思う。

 

街に出ればSDGsの貧困をなくそうという目標とは裏腹にホームレスの方を街から排除するようなデザインを施した排除アートがたくさんある。
排除アートとはたとえば肘掛けをつけて寝られなくしたデザインを施したベンチのことだ。

幡ヶ谷のバス停にも同じようなデザインを施した排除アートがある。
そこで1人の表現の世界を志す女性が命を奪われたことを知った。
調べていくうちにその女性が所属していた劇団や同じ劇団員の方に話を聞くことができた。
今回の撮影と取材を通じて、私の中の表現の世界を志す女性だからこそある心の片隅の小さな不安が
この事件を見た時に徐々に大きくなっていった事に気づいた。

女性が社会進出しキャリアを積み重ねていくことはそれだけ容易ではない。

しかし、女性達の夢に向かって懸命に努力し社会からのプレッシャーを感じ日々迷いながらも自己実現を目指す姿は本当に美しいと感じた。