この写真のテーマは「身近な貧困」である。
貧困と聞いて大体の日本人はスラム街など海外をイメージするだろう。日本では貧困は馴染みがないかもしれない。しかしよく周りを見渡してみると日本人も、ましては私たちの世代も他人事ではない。日本は7人に1人が貧困層と言われているが日本の貧困は見えにくくあまり重要視されていない。あたりにははっきりと貧困という問題が散らばっているにもかかわらず。
貧困に無関心な人々が知らず知らずのうちに貧困を広めていってしまうと私は考え、皮肉をこめてお金を食い尽くす演出写真を作り出した。また、コラージュ写真はすべて私の生活圏内で撮影したものだ。散歩しただけでこのような写真が撮れてしまうほど多い。それを当たり前に思ってはいけない。この写真をきっかけに少しでも身近にある貧困に目を向け考えてほしい。
大黒実紗希