私は16人目の田中家になりたい

 

 

2018年、私は水仙ランドで田中家に出会った。

そこで私が見たものは

急斜面の畑、水仙の球根、14人家族の田中家だった。

 

当時の私は、何もかもカメラで残したい、カメラを初めたての高校1年生だった。

 

『のどかちゃんの服、ちっかっぺ汚ね〜』

 

田中家の子供達は、全身泥だらけの私を見てゲラゲラ笑っていた。

 

同じ出身のはずが、田中家の方言が強すぎて全く会話にならない。

私の目に前で飛び出すように次々と田中家が湧き出てくる。

少し変な家族だけど、私は通い続けることにした。

 

 

 

 

2024年、田中家には新しい15人目と犬が増えていた。

 

私を見て笑っていた子供達は、小学生、中学生、高校生、社会人になっていた。

この7年間で田中家の生活は大きく変化し、

良いことも、良くないこともたくさんあった。

楽しいことはみんなで。辛いこともみんなで。

どんなことでも全力な田中家は、大家族だから良いのではなく、田中家だから良い。

 

私が7年間田中家を通い続けた理由は、少し変な家族だからではなく

田中家のあたたかい温もりが心地よかったからだ。

もしかしたら、私は最初から16人目の田中家に入りたかったのかもしれない。

 

これからも私はここに通い続ける。

 

私は田中家がちっかっぺ大好きや。