卒業が近づいて初めて社会との繋がりを意識しするようになり、自分の心が理解できなくなってしまった。
都会を象徴しているともいえる東京は、なぜか自分が一刻も早く離れたい場所となり、田舎にある故郷に思いを馳せるようになっていた。
それが嫌悪感からくるものなのか、恐怖感からくるものなのかはよくわからない。
ただ自分の心は今、その気持ちに呼応するかのようにざわついているということだけはわかる。
あるときは穏やかな水面のように。あるときは荒れ狂う海のように。